大掃除の日
ホコリ祓いをしていると
いつも 思い出すのは
祖母のこと
聖徳太子様が祀られた
小さな木箱
高校卒業後
親元を離れ
専門学校に進学する私に
祖母が 作ってくれたのだ
木箱の内側に
金色の紙を貼り
聖徳太子像を祀る
「下宿部屋には 仏壇もなかろう
これを 持って行きなさい」
そんなようなことを
言ったのだろう
それから 31年
何度 引越ししただろう私は
今も 手を合わせ 大事にしている
窓際から 外に落ちてしまったこともある
おかげで 角が ぐさぐさになった^^)
我が家は 祖父母 父母 兄と私の 6人家族で
祖母は明るい人だった
包み隠さず話す人だったので
母は苦労しただろうけれど
私は祖母が好きだった
昔の人は 皆そうだったのだろうけれど
とても敬虔な 仏教徒で
お釈迦様の お話を
寝物語に
日々の語りに
聞かせてくれたものだ
私が23歳の時
会社をやめて
インドに行くと 言ったとき
誰もが反対したのに
祖母だけが
「お釈迦様の お生まれになったところ
行ってきなさい」
と 後押ししてくれた
その時私にくれたもの
この中に
固くなった
お餅が入っている
なぜ お餅なのか?
わからないけれど
インドで 食いっぱぐれたら
食べなさいって事だったのか
他 楊枝で作った お着物のお姉さん
松の葉の 灰
松の葉の 灰は
具合が悪くなったら 舐めなさい とのことだった
私は 家族皆の写真を持って
3ヶ月の バックパッカーの旅に出かけた
時は 1987年の4月から7月
雨季に差し掛かる頃で
観光客もまばら
だからこそ 有意義な時を過ごせたと思う
あるときインドで 出会った旅人に
祖母の写真を見せたら
その人が 言う
「この方は 生き神様
もうこの世ですべき
全てが完了している
ただ あなたの子供が見たいだけ」
そう 祖母は
全てのひ孫を抱きながら
2008年 96歳で 他界したのです
祖母は 言った
「インドの次は 中国に行って欲しい
お釈迦様の 教えが伝教されたところだから」
うん....
いまだ それは叶っていないし
そうする気もない私だけれど
いつも 気になっている
お友達から いただいた 貝殻
おばあちゃんの お餅のお守り
辰年の私の 龍の刻印
2008年 2月8日に 96歳で
他界した祖母
今生きていてくれたら
101歳
今も見守っていてくれるようで 何も怖くない